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渡邊 佳織 展〈日本画〉&高島屋美術部創設110年記念 森野 彰人-豊饒な文様〈陶芸〉開催中です!

2017.06.30
<はんなり*ハンペン>です。7月です、そう、祇園祭が始まりますね。 京都の夏を告げる祇園祭は1ヶ月にわたり様々な行事が行われます。今から楽しみです♪今年はスケジュールを立てて見所を押さえるつもりです !
さて、今週の美術画廊は京都にご縁の深い作家さんのご紹介です。
まずは東画廊からです。

 

渡邊 佳織 展〈日本画〉
■6月28日(水) → 7月4日(火)
■6階美術画廊 ※最終日は午後4時閉場。

渡邊佳織先生が描く繊細で美しい少女や子供、美しい着物、そして赤い折鶴、優美な世界観、どこからか漂う細やかな思春期の思い、渡邊佳織の世界観に魅了される方がどんどん増えているように思います。わたしもその一人。さらに先生の魅力と世界観がパワーアップした2年ぶりの個展です。
そしてなんと、今回は祇園祭に合わせ、お稚児さんも描いてくださいました。





では、作品をいくつかご紹介いたします。

■私を愛したシャドーマスク 85.0×142.0cm

 この作品、「あーなんてきれいな舞妓さん、着物もきれいな柄やね。」では終わらない、とても奥が深い作品なのです。

いきなりですが、シャドーマスク、皆さんご存知ですか ??
シャドーマスク【shadow mask 】

簡単に言いますと、テレビのモニターは今ではほとんど液晶画面ですけど、ひとむかし前はブラウン管といって、奥行きのあるぼっこりした、重――い形だったんですね。そう、そう真空管のあるテレビです。その色の再現はRGB(赤、緑、青)のレザービームの交わりで映像が再現されているのです。
そして話は作品に戻り、この着物色の柄、赤、緑、青のドットで再現されています。このドットによる表現はテレビモニターの再現なのです。

さらに、クローズアップ!!!!



先生いわく「近未来の着物はテクノロジーの進歩により、着物はその日の気持ちや、天候などにより、AI(人工知能)が最適な柄を選択し、データを着物にダウンロード、着る人の気持ちにフィットした色柄が自由に再現される日が来る」と、ん~~~未来を先取りした先生のコンセプトに感服です。

 

 

■スィートスポット 45.0×60.0cm

「スィートスポット」はゴルフのクラブやテニスのラケットなどで、ボールを打つのに最適の個所。最適打球点、または中心点を意味するそうです。十二単を着た女性に一筋の光が差し、美しい虹色が生まれ、十二単と重なります。

このモチーフ、構図のアイディアのきっかけになったのが…なんと、ロックバンド、ピンクフロイドの有名なアルバム「狂気」のアルバムジャケットにあるプリズムに光があたり、光のスペクトルが産み出される表紙から着想を得たそうです。

確かにこの絵の構図の中心の女性、三角プリズムのような形に構図がなり、まさしく光の中心点です。







■斜陽 SM

さて、お待ちかね、祇園祭りの作品です。



■左から 「かむろ2」SM 「注連縄切り」 25.7×36.4cm 「かむろ」SM

お稚児さんの主な役割は、「注連縄」(しめなわ)を切り、神界と人界の間にある結界を一刀両断にすること、その儀式のシーンを描いています。両脇にいる少年は、長刀鉾の稚児で、禿(かむろ)と呼ばれています。

 
■吉符入り SM
祇園祭を迎え、「稚児舞」を披露する習わしが「吉符入の儀」です。


■綾傘鉾稚児(あやかさほこのちご) SM
祇園祭で曳かれる山鉾(やまぼこ)のうち傘鉾(かさぼこ)の形を特徴とする「綾傘鉾」に沿い歩く児童

 

渡邊先生の描く日本画の美しい女性とその裏に隠された、着想の独創性は謎解きのような面白さにあふれ、何度も何度も作品に見入ってしまいます。祇園祭に関わる作品も含め渡邊先生の世界観に浸ってみてはいかがでしょうか?
お待ちしております。

【略歴】
1984年 静岡県に生まれる
2005年 「第2回サムホールワールド展」入選
2007年 京都嵯峨芸術大学卒業
2009年 京都嵯峨芸術大学大学院芸術研究科修了
2009年 「平成20年度京都嵯峨芸術大学卒業制作展」卒業生特別賞受賞
2010年 「京都 日本画新展」出品(美術館えきKYOTO)
2011年 「ZIPANGU展-31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン。」出品
(髙島屋東京日本橋・大阪・京都各店のグランド・ホール巡回)
2015年 個展「冬よ、来い」開催(髙島屋東京日本橋・大阪・京都各店巡回)
2016年 「堂島リバーアワード2016」特別賞受賞
                  「琳派400年記念 新鋭選抜展」出品(京都文化博物館)
 

 

 

 

 

さて次は西画廊です。

高島屋美術部創設110年記念
森野 彰人-豊饒な文様〈陶芸〉
■6月28日(水) → 7月4日(火)
■6階美術画廊 ※最終日は午後4時閉場。



森野彰人先生は、90年代に空間を装飾するというコンセプトによる壁面への大型造形作品〈W.O.O.〉シリーズを発表し、一躍注目を集めました。以降も器胎に透かしを施した〈雪華蓉〉のシリーズを発表するなど評価を高め、2011年に「第22回タカシマヤ美術賞」を受賞されました。今回は吉祥文を施した近年の代表作〈蓉〉をはじめ、無数の釉薬の滴を文様として施した〈容〉シリーズなど紹介しております。

さて会場を観てみましょう。





 

お作品をいくつか紹介します。

■白瓷色絵蝙蝠文 容
「蝙蝠」は「かわほり」とも読みます。コウモリの古い読み方だそうです。

先生になぜ「吉祥文」にご興味を持たれたのですか?と質問してみると…

むかし、あるお客様から枡盃5客セットの贈答品の制作依頼があり、吉祥文があることで意味合い(メッセージ)がこもることから、吉祥文を調べ始めたのがきっかけだそうです。作陶だけでなく研究もされる先生は、どんどん吉祥文を調査されていきます。

大正、昭和初期と焼き物が大量生産されるなかで、吉祥文の意味合いも徐々に崩れていった(変化していった)そうです。
先生は、そのような吉祥文をかっこよく器の形とマッチさせ、今の時代にあったスタイルで蘇らせているのです。

確かにかっこいい!

■碧雲蓉 「竹」


■雪華蓉「飛鶴」
この穴の数々はどのように生まれたのか? 器形成後、半乾きの時点で電気ドリルを使用し開けるそうです。


■瑠璃釉金流水文 容

「流水」は弥生時代から土器、銅鐸に多く見られる装飾文様です。水は古代により聖なる者として大切にされてきました。信仰的には生霊、死霊を呼び出す道具として使用されました。流水には流れがあり腐らないとされ、清らか、正義などの意味を持ちます。

 

■白瓷金彩蓮文 容

この「容」の作品、釉薬の滴を一滴、一滴たらして文様を作る大変な作業なのです。

誰でもやろうと思えばできる作業、シンプルな行為であればあるからこそ、センスや感覚を引き立たせ、他人との違いが生まれる、と先生は力強く話されます。

ここで、クローズアップ!!
よく見てください。滴の大小、それにより全体の輪郭をぼかしたり、すごい作業です。

そして、器の形も考えに考えられ、器でありながら、従来の器になりきらない様に作られ、施される文様は大きく表現することで、新しいスタイルの作品になるそうです。




■白瓷色絵唐草文 容


■瑠璃釉金牡丹文 容


■白瓷色絵蝙蝠文 容

角度を変えて

ちなみにこのピンクのコウモリ文様、中国磁器の“チャイニーズピンク”と呼ばれたピンク色の磁器に関心があり、制作されたそうです。


■瑠璃釉金彩蝙蝠文 大皿


■白瓷色絵松葉文 大皿

 

技術としては伝統的でありながら、今の時代にマッチした陶芸作品を制作しないといけない。黒電話が今はスマフォであるように、その時代、その時代に溶け込む陶芸があるはずである、と先生の力強い言葉が印象的でした。
そして、森野彰人先生。


かっこいい吉祥文様がおりなす、いまどきの陶芸作品、是非とも見に来てください。

【略歴】
1969 京都に生まれる
1993 大阪芸術大学芸術学部陶芸コース卒業
1995 京都市立芸術大学大学院美術研究科修了 (財)滋賀県陶芸の森にて研修
1994 近作展17  クレイワークの4人展 / 国立国際美術館(大阪)
1996 現代陶芸の若き旗手たち / 愛知県陶磁資料館(愛知)
1997 第4回「美の予感-工芸」展 / 髙島屋(東京、大阪、京都、横浜)
2003 柳原睦夫と現代陶芸・14人の尖鋭立たち-現代陶芸の系譜- / 高知県立美術館(高知)
2005 日本陶芸100年の精華 / 茨城県陶芸美術館(茨城)
2006 エクシブ京都八瀬離宮  壁面オブジェ 制作 / エクシブ京都八瀬離宮
2009 未来へのタカラモノ / 髙島屋(東京、大阪、京都)
現代工芸への視点-装飾の力 / 東京国立近代美術館
個展「装飾の企て-森野彰人展」/ 滋賀県立陶芸の森美術館
2015 京焼歴代展-継承と展開 / 京都市美術館(京都) その他 個展、グループ展多数
現在、 京都市立芸術大学准教授 IAC(国際陶芸アカデミー)会員

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高島屋 京都店
6階 美術画廊・工芸サロン・茶道具売場
電話 075-221-8811(代表)
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