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出口 雄樹 展-Still Alive-〈絵画〉& 辻村 塊 陶展

2021.02.24
皆さまこんにちは。4月うさぎです。
2月最後の今週は、グローバルかつスタイリッシュに発信する絵画と、奥深い世界を追求する日本の焼きものとの、好対照な二つの画廊催をお楽しみください。それでは東画廊からご案内しましょう。

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出口 雄樹 展-Still Alive-〈絵画〉
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■2月24日(水) → 3月2日(火)
■6階美術東画廊 ※最終日は午後4時閉場
※会期・営業時間・最終日終了時間を変更する場合がございます

出口 雄樹(いでぐち ゆうき)先生は、2013年東京藝術大学大学院を修了後、ニューヨークを拠点に制作を行い、日本国内のほか、フランス、インド、ポーランド、韓国、中国、アメリカなど世界を舞台に作品を発表、2020年からは京都を拠点に制作活動を行っておられます。様々な国での作品展示を経て、古典絵画の再解釈を行い、モチーフや画材を含め現代の状況と過去を跨ぐ新たな絵画制作を志向されています。今展では、森羅万象をテーマにキャンバスの上に日本画材とストリートアートに使用されるスプレーを併用した独自の技法で描かれた、色彩鮮やかな作品を一堂に展観します。


■No.1~5「One’s Last Moment」
会場正面の壁面いっぱいに展示された、迫力ある連作です(それぞれ高さ303×幅109㎝)。臨終に際しての5つの経過を「仏の御姿を描かずに」表現することを目指されました。左から順に、肉体が滅び身体感覚をなくす(波)、家族友人とのつながりをなくす(花)、自分が生きた時間や社会的地位をなくす(滝)、自分の業を焼き尽くす(火車)、そして最後に御仏が来る(雲)の5つの場面が描かれています。



■No.10「Subliminal Switch(無)」 (上の画像はシリーズ6点の展示)
作品名は「潜在意識のスイッチ」の意。死を連想させるドクロを、漫画のような吹き出しでコミカルに表現し、シリーズによる繰り返しで無意識下に刷り込まれる記憶の効果を狙われたそうです。ポップなイメージの繰り返しはアンディ・ウォーホルも使用していますね。


■No.26「六歌仙」


■No.29「三神仙」
歴史画・道釈画のシリーズから。先生は若い世代の人々へ向けて、文化遺産としてその価値を再認識してもらうべく、制作を続けておられます。「六歌仙」は古今和歌集序文に記された6人の代表的歌人、「三神仙」は東洋画の画題にされる道教の仙人。伝統的な図像の踏襲ではなく、六歌仙の集いにはカラヴァッジョの果物籠が置かれたり、三神仙に欧米風の容姿が混じったりと、西洋と東洋を結びつける楽しいアレンジをされています。


■No.6「Still Alive」
今回の個展のサブタイトルにもなっている作品で「まだ生きている」の意。静物画を現す英語「Still Life」と韻を踏んでもじった言葉です。静物画には、ヴァニタス画(生の儚さ、世の虚しさなど「死」を思い起こさせる教訓的モチーフ)の歴史的な流れがあり、この作品もその文脈を引き継ぐために制作されました。「私が渡米後もアーティストとして生き残っているという意味と、美術の様々な要素が私の作品の中で生き残っているという二つの意味を込めています」とのことです。でも、この作品を見る私たちも、世界中の歴史的遺産を引き継ぎ、このコロナ禍で現在「まだ生きている」ことの意味をかみしめたくなります。


続きまして西画廊をご案内します。

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辻村 塊 陶展
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■2月24日(水) → 3月2日(火)
■6階美術西画廊 ※最終日は午後4時閉場
※会期・営業時間・最終日終了時間を変更する場合がございます

1976年奈良県に生まれ、父・辻村 史朗(つじむら しろう)氏に師事して陶芸の道に入られた辻村 塊(かい)先生は、2000年に奈良県桜井市に築窯し、以降全国各地で個展を開催されています。4回目となる今展では、伊賀、信楽、井戸、粉引、志野、織部など多彩な技法を駆使して制作された壷、花入、茶碗、水指、酒器、うつわなど、味わい深い新作の数々を一堂に展観いたします。

驚くほど幅広い作風を繰り広げられる先生ですが、伝統的なもの、斬新なもの、特に一方向を指向されることはなく、心の赴くままに「良いもの」を目指して作陶を続けておられるそうです。



■No.269「伊賀花入」 (下の画像は左斜め上から見たところ)
中心の花器を成形した後、外側をさらに土でくるんで焼成した、ダイナミックな作品です。伝統的な伊賀焼の成形とは違う、先生ならではの創意と、焼成の際に炎と灰が施した見事な仕上げに引き込まれる思いがします。


■No.123「織部茶碗」
白と黒のはっきりしたコントラストによる意匠がモダンです。肩ひじ張らず、心静かにお茶を楽しめそうです。どこか先生のお人柄に通じるような気がしました。



■No.140「蹲(うずくまる)」 (下の画像は花を活けたところ)


■No.102「志野茶碗」
さらりと描かれているのは摩天楼でしょうか。こちらも写しではなく、現代的な意匠が先生らしいお茶碗です。


■No.154「伊賀花入」
きっちりと直方体に成形した細い花器を集め、一つの塊にして焼成されています。先生は「うまくくっつく時もあれば、うまくいかない時もあります」と何気なくおっしゃいますが、技と根気の賜物であるとお見受けしました。


■No.118「粉引茶碗」
とろみのある釉薬の手触りに、白とグレイのグラデーションが美しいお茶碗。目でも掌でも楽しめそうです。



くつろぎのひと時のお供となる酒器、普段の暮らしを彩るうつわなども、いろいろ揃っています。お気に入りとの出会いをぜひお待ちしております。

いかがでしたか。どちらの催にも紹介しきれなかった作品が多々ございます。今は画廊へお越しいただくのが叶わない方も、興味ある作品がございましたら、どうぞお気軽に「京都タカシマヤ6階美術画廊」へお問い合わせくださいませ。

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高島屋 京都店
6階 美術画廊・工芸サロン・茶道具売場
電話 075-221-8811(代表)
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